思い
「それでも、私はしあわせね。こうしていられるんだから。」
何か困難なことがおこると、祖母は必ずこう言っていました。
私には思い及ばないほどの苦労を重ねただろう彼女の生き方の中に、
この年齢になって、ふと大きな気づきをえることがあります。
祖母は、しあわせと感じたことを、ためらうことなく素直に言葉にし、
皆のためだと感じることは、臆することなく願う人でした。
言葉や行動が形を変えて、再び還ってくるというのは本当かもしれません。
彼女の願いのまま、それがかなわなかった時も、
どんな時も最後には、祖母は“しあわせ”にかこまれていました。
心の底から強く大切に思う気持ちを持つ。
変わりなく日常を生きながら、自分にできることをする。
そうすれば、それは必ず大きな力となって還り、
届けることができるのだと信じています。
一人でも多くの人が、一日も早く、大切な人に会えますように。
そして、一日も早く、あたたかな場所に戻れることを願い、信じています。
沼田智子
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